文師に贈呈された博士号授与式(米国ショー神学校)に代理で参席する韓鶴子女史(文師夫人)



米国ノースカロライナ州のショー神学校は、1985年5月11日、獄中の文鮮明師に対して名誉神学博士号を贈呈し、韓鶴子女史(文師夫人)が代理で博士証書を受領した。
ショー神学校が文師に名誉博士号を授与した理由につき、「社会正義、人類の苦悩解放、宗教の自由、世界共産主義との闘いの分野で際立った貢献をした」という内容を挙げている。

<ショー神学校のコメント>
人道主義的貢献と活動を評価

ショー神学校は、文鮮明師の「信教の自由」と世界共産主義との闘いを含んだキリスト教超教派主義運動、および社会的、政治的活動の分野における際だった人道主義的貢献を認めて、ここに名誉神学博士号を授与いたします。文師は、人種的、宗教的頑迷の排除を通して、「神の国」をつくるために、深く献身的に運動をしてきました。


文師は、1920年に、現在の北朝鮮にある小さな村で生まれ、キリスト教信仰へ、力強い改宗をしました。仏教徒の家庭に、8人兄弟の一人として生まれた文師とその全家族は、文師が10歳の時に熱心なクリスチャンになりました。そして、キリスト教信仰の初期時代を通して、文師は祈りと思索に時間を費やし、また聖霊と聖書の意味と、クリスチャン生活の核心を正確に理解するために、聖書の研究に時間を割いたのでした。

16歳(数え年)のイースターの朝、若き文青年は、イエス・キリストと深い強烈な出会いをなしました。その出会いは文師を終生の聖職者と伝道活動へと進めさせ、幾度大きな逆境に直面しても、師の言葉にある「利己的から利他的への静かな革命」を成し遂げてきました。

この期間は、韓国は日本によって支配され、第二次世界大戦の終結まで奴隷的立場でした。韓国人は日本人によって二流の国民であると信じさせられ、人間尊厳の基本的なものでさえ、権利を与えられませんでした。すなわち、母国語を話すことや、韓国名を使うことを許されませんでした。キリスト教は虐げられ、日本の神道以外の宗教は許されませんでした。文師は民族解放のために、捕らえられ、むち打たれ、厳しく拷問されることを覚悟しながら、地下活動を絶え間なく続けてきました。

韓国が、1945年に日本の支配から解放された後、文師は、北朝鮮の平壌から始めて、韓国中に福音を宣べ伝えるようにという神からの召命を受けたのです。当時平壌は「東洋のエルサレム」として知られており、多くの教会が存在していました。すぐに多くの熱心なクリスチャンたちが集うようになりましたが、不幸なことに無神論的北朝鮮政府から目をつけられるようになりました。

文師は、社会紊乱を扇動し、不条理な言葉を吐いたという罪で強制労働の判決を受け、そして共産主義者である北朝鮮政府の手によって、厳しい拷問と虐待を受けられました。最終的に文師は、強制労働収容所で5年間の刑に処せられました。そこは、政治犯たちが抹殺されるために送られていた所でした。文師は、その死の収容所にいる時に、自分を救ったのは生きた神の神霊の力であった、と信じています。

韓国動乱の終わりに、生き残っていたわずかの人々とともにいた文師は、処刑執行予定日の前日、国連軍によって解放されました。これらの多くの困難にもかかわらず、いや恐らくそれゆえに、文師の献身と牧師職は、第二次大戦以降いっそう際立ったものとなっています。

迫害を越えて宗教運動展開

1954年に世界基督教統一神霊協会(統一教会)を正式に創立した師は、韓国、日本で教会活動を成功させ発展させてきました。そして1971年にアメリカに来たのです。文師は一人で韓国の山腹のダンボール小屋から出発し、120か国以上に宣教師を送り、霊的刷新と社会奉仕の伝統、人類の苦痛を取り除くための事業的遺産をもたらしながら、運動を広げてきました。

この使命を成就していく過程で、文師は争議の的となり、ある地域では不人気となりました。そして師は今なお迫害を受けています。しかし師は、迫害を受けてきた最初の宗教指導者というわけではありません。私たちの公民権獲得の道と同じように、ユダヤ・キリスト教の伝統の中で、多くの主な宗教家たちが、迫害の中、受難の道を歩いてきました。この妨害にもかかわらず、文師は基本的人権のために、あらゆる圧制に対抗した闘士と同じように、超教派運動と社会活動のために、偉大なる貢献をしました。

文先生の啓示で組織を創設

次に挙げるものは、過去15年以上にわたって文師の計画と啓示を通して創設された組織と活動の一部です。

1.
国際救援友好財団(IRFF)
 世界35か国以上で活動する緊急救済と援助のための組織です。それはアジア、南米、アフリカを含む全世界至るところに医療奉仕団を派遣しており、今日ではエチオピア飢餓の罹災者を救済しています。
2.
プロジェクト・ボランティア(福祉事業団体)
 窮乏した人々に、余剰食糧と医療品を配給するための全国的組織です。文師の入監前夜から、この重要な援助のために使われる250台のトラックの購入が始められました。
3.
国際文化財団(ICF)
 学問、科学、文化、宗教面において、世界的な意見交換と友好関係の奨励を目的としています。
4.
世界宗教財団(IRF)
 全キリスト教会の意見交換と理解の主唱、および多様な宗派間の軋轢(あつれき)の解決のための公開討論の場です。
5.
国際少数民族同盟(MAI)
 宗教的な民族的固陋(ころう)の除去を目的とした非営利的団体であり、共同体を基本とした種々の社会事業を通して、貧民の必需品を供給して、実際的援助を提供している組織です。
6.
カウサ・インターナショナル
 神が与えた人間の権利と自由を守るために、そして全体主義のイデオロギーから全人類の解放を支援するための、超宗派、非政治的、かつ教育的で、社会的志向の組織です。
7.
医療活動
 文師によって提唱された病院は、本格的な入院外来両用の病院として利用され、またそこから他の国々に医療団を送っています。
8.
世界平和教授アカデミー(PWPA)
 世界平和運動を学術的、宗教的、そして文化的交流を促進するためにつくられた学術界のための組織媒体です。

米宗教界が文先生を支援

おそらく、文鮮明師は、「信教の自由」の擁護のために、現在師が演じている苦闘のゆえに、最近4年間で最も知られた存在だといえます。最高裁での闘いを通して、文師はアメリカのほとんど全ての主な宗派と、公民権活動組織の注意と関心を引き付けました。

一億人以上のアメリカ国民を代表して、前例のない、多くの教会と公民権組織が、文師の裁判の支援に「法廷助言書」を提出しました。その内容は、文師に対する米政府の選択的起訴は、国内の全ての教会と教会指導者を脅かした判例をつくった、ということを主張しています。

その参加団体は、全米キリスト教会協議会、米国バプテスト教会、アメリカ市民自由連合、南部キリスト教徒指導者会議、米国メソジスト監督教会、長老派教会、宗教・公民権のためのカトリック連盟等、その他多数の団体です。

現在、文師はコネティカット州ダンベリーの連邦刑務所に投獄されており、多くの人々から「信教の自由」のための闘いにおける指導的人物として見なされています。今日、
キリスト教界の統一、教会と社会活動、民族間の統一と調和の運動へのたゆみなき貢献に対して、この名誉博士号を授与するものです。この称号は、文師個人に設けられたものであり、統一教会を認め、あるいは神学理論の支援で判断されたものではないことを強調いたします。統一教会の理論とわれわれとの間には明白な違いがありますが、共通の関心と実行のいくつかの領域があり、神のもとにおける兄弟姉妹が、よりよき世界を築くために共に働けるのは、これらの領域にあるからです。