世界指導者サミット(IIFWP)ソウルで開催
転換点の世界をテーマに討議
「ソウル平和宣言」を採択

2003年8月11日から15日、世界平和超宗教超国家連合(IIFWP)が主催する「世界指導者サミット」がソウル市内のヒルトンホテルで開催され、世界120か国から国家元首経験者、国会議員、外交官、言論人、女性指導者、マスコミ関係者ら約500名が参加した。

11日の晩餐会ではインドの宗教指導者S・シバチャヤ師とイスラエルのエルサヤ大司教(ハイファ大司教管区、キリスト教マロン派)が祈祷を行ない、郭錠煥IIFWP世界会長が挨拶した。来賓を代表してドミニカ共和国のダイアナ・ペレス副学長(サントドミンゴ国立大学)等が挨拶したあと、「転換期の世界」が上映された。

12日の開会式で韓国ハンナラ党の金東旭議員が祝辞を述べ、エジプトのヘガジー元首相、スペインの「人種差別主義に反対する欧州ネットワーク」のクララ・レトナ事務局長、ベラルーシのシュシケビッチ元最高会議議長、グレナダのダニエル・ウィリアムズ総督がそれぞれスピーチを行ったのち、郭錠煥会長による基調演説がなされた。
郭錠煥会長は演説で、「神との正しい関係を持ち、神のもとで人間が和解と善意を実現できなければ、絶対に平和は実現できない、「外的な変化の前に我々自身の意識と心情の内的変化が起こらなければならない」と強調し、更にIIFWP総裁である文鮮明師の提唱する国連・超宗教理事会(インターレリジャス・カウンシル)創設の必要性を説いた。

12日の全体会議においては、司会の小山田秀生IIFWP日本議長が「国連の貢献は大きいが課題も多く、国連の刷新・改革が必要だ」と問題提起、米国ブリッジポート大学のトーマス・ワード副学長らがプレゼンテーションを行ない、米国「イスラム知恵の家」のモハメド・アリ・エライ師、ガイアナのハミルトン・グリーン元首相らがコメントした。

分科会においてはバルバドスのサンディフォード元首相、米戦略国際問題研究所(CSIS)のチャムバリン研究員、鮮文大学の劉チホ教授らが学術的立場からスピーチし、IIFWPのテオドア・シンミョウ上級研究員、ジョージ・スターリングス大司教(米イマニテンプル創始者)らが宗教者の立場からスピーチした。
また、エジプトのヘガシー元首相は、「パレスチナ問題に関してはこれまで何度も話し合ってきたし、世界の50%以上の国家がパレスチナ国家の承認を支持している。にもかかわらず、なぜ国連はパレスチナ国家の承認を宣言しないのか」と問いかけ、パレスチナ人の置かれた苦境を訴えた。

13日のセッションでは、文鮮明師が提唱する超宗教理事会の設置について話し合われ、国連に30年間にわたって関わってきた「フレンズ・オブ・UN」のノエル・ブラウン会長(米国)は、@現在2万5000名いる平和大使が自身の政府に働きかける、A平和大使のネットワークを構築する、B国連で超宗教理事会構想が話題となるよう外交活動を展開する、C国連総会で共同提案国を多数集める、D2005年の国連60周年を期として設置提案する、などの具体案を示した。

また、国連で長期間活動してきた「人道活動のためのビューロー」のジア・リズビー事務局長(パキスタン)は文師の超宗教理事会設置構想に関して、@過激主義、原理主義に反する期間として幅広く承認を得る、A国連の手続に沿って具体化する、B国連憲章改正よりもまず委員会レベルでの実現を検討する、C各国政府の説得のため具体的な行動計画を立てる、などの提案をなした。


その他、イランのイスラム教シーア派指導者サヤド・ムサウィ師、ボスニアヘルツェゴピナのサラエボ・イスラム研究所ネジャル・グラブス教授、ブラジルのフランコ・デ・オリベリア大司教、エストニアのインドレック・トーム元首相、ウガンダのモーゼズ・アリ第一副首相、モルドバのビオレル・ピリサカリ国会副議長、ロシアのワレリー・サハロフ・ユネスコ代表部上級顧問らが意見発表を行なった。

14日には国際関係における米国の責任についての討議がなされ、米外交に30年以上かかわった政治学者のポール・チェンバレン戦略国際問題研究所(CSIS)客員研究員は、ブッシュ政権の「一国主義」的な欠陥を指摘しつつ米国の特別な責任についてさまざまな角度から論じた。
その他、イスラミックセンター・オブ・アメリカのハッサン・カズウィニ宗教局長、米国のサム・ザッケン元駐バーレーン大使、米国作家のドグ・ウィード氏、マイケル・ジェンキンズ米世界平和家庭連合会長らが意見発表をした。

最終日の15日のセッションでは、文鮮明師の超宗教理事会設置の構想を実現するため、特別委員会を国連に設置することなどを含む「ソウル平和宣言」が採択された。同宣言は、ガイアナのハミルトン・グリーン元首相によって読み上げられた後、会議に参加した現元職の国家元首、宗教指導者、学者、言論人、NGO、女性団体等の代表者らが署名した。

同日夕方、ソウル市内のリトルエンジェルス会館で閉会式が行なわれ、会議参加者に加えて、日韓米中露5か国を中心とする約900名の青年・大学生が参加した。閉会式はリビングホープ教会のロニー・マクロード師の祈祷で始まり、グレナダのダニエル・ウィリアムズ総督と米国イスラム連盟のハッサン・カズウィニ師らが代表して大会の感想を述べた。

IIFWP創始者である文鮮明総裁はソウル宣言の意義を説明し、摂理的大革命の時代であることを説いた。その後、文師総裁夫妻は「ソウル平和宣言」に署名、サミット参加者を代表してエストニアのインドレック・トーム元首相ら9名に平和大使の任命状を授与し、エジプトのヘガシー元首相ら8名にグッド・ガバナンス賞のメダルを授与した。閉会式後は晩餐会とリトルエンジェルスの公演が行なわれた。